airitasaki

絵、観た映画、読んだ本

最近行った展示、読んだ本、みた映画
福岡伸一「世界は分けてもわからない」のなかで、渡辺剛の写真集<TRANSPLANT>を紹介していた。
 
トランスプラント=植えかえられた植物。
ハワイのコーヒー園など、物理的に「植え替えられた」姿を撮ったものや、
アメリカ社会の中にあるベトナム系移民居住区域の一角など、人々の生活に置き換えて撮った写真群。
 
生物学者の視点から、機能モジュールとしては切り離せない臓器
(もともと身体と部分としての「臓器」の間にボーダーは無い)を「臓器移植」することについての話。
最初は激しい拒絶反応を起こすが、だんだん新たな根を張って、共存関係を作っていく。

外来種が在来種となり、在来種が別の日には外来種になっていく事のなかに、
生命がもつ可塑性や、新しい動的な平衡点を見い出すこととかが書いてあった。

  
TURNERGALLERY"たぐりよせるまなざし"、有賀さんの作品"Alternative Plant"
普段目を向けない「雑草」に着目し、警告するような黄色と黒のゴミを使って雑草を作り、
本来生えていないような場所にも植え付けたという作品だった。
  
映画"バベル"をみた。別々の場所で起きたそれぞれのある一線を越えた出来事が、みな因果関係で繋がっているというへんな映画だった。
思ってもいなかった事が犯罪となる瞬間や、国と国を分ける国境での問題 を、言語が通じない人間同士の関係から、その境界みたいなものを描きだしていた。
 
錦糸町のギャラリー「ゲルオルタナ」の展示では、植木鉢を使用したインスタレーション
 
 
なんなんだっていうくらい「プラント」と境界・界面の話がよく出てくる日だった。
自分は日本の在来種だと思い込んで生活しているけど、実はかつて外来種だったのかもしれない。
いつから在来種になったのか。そんな境界はもう今はわからないんではないか。
自分を在来種にしたのは誰で、どんな環境で、いつ頃なんだろう。